chapter2

ちちプロ

№19 バリアフリーと命日(ハービー・ハンコック『Butterfly』)

高校の修学旅行でカナダまで行っていた長女が、予定通りに夜の十時過ぎ、地元の駅までたどり着くという。私が、車で迎えに出る約束となっていた。早めに出て、閑散とした夜の立体駐車場の一階に車を停めて、そこでそのまま待つことにした。駅の周辺は、日々よ...
ちちプロ

№18 「テルーの唄」と修学旅行(手嶌葵『テルーの唄』)

その日私は、部下の運転する車で、朝から、県内のいくつかの市町村を回り、打ち合わせをこなすというような仕事をしていた。ようやく最後の訪問地であるM市を後にし、帰途に付いた頃には夕方になっていた。沿岸部のM市は、大きな川の河口沿いに広がったまち...
ちちプロ

№17 株式投資と高齢社会(両@リベ大学長『お金の大学』)

数年前、父が亡くなった後、いくばくかの株を相続した。何も知識が無く、ゼロからのスタート。勉強しながら何とか手続きを進めた。勘所を聞こうと、長く父の元へ通っていたらしい、大手証券会社の女性営業員に電話で話を聞いたことがあった。父が何か大事にし...
のりプロ

№16 通院と粉雪(レミオロメン『粉雪』)

定期的に通院することになった。ここ数年、職場の健康診断でずっと指摘を受けていた。私の場合、ガンマGDPという肝臓の数値と、悪玉コレステロール、それから痛風の危険を示す尿酸値の数字が悪かった。職場の健康診断の後、馴染みの個人病院で診察を受け、...
ちちプロ

№15 新聞とテレビCM(立花隆『立花隆の最終講義』)

正月の大手新聞社のテレビコマーシャルに、こんなものがあった。振り向いた少女にコメントが重なる。「信じてもいいですか。○○新聞」ちょっとびっくりした。実は信じてはいけないことが幾分かでも混じっていたのだろうか。少なくとも建前としては、新聞は中...
ちえプロ

№14 立花隆と実存主義(キルケゴール『死に至る病』)

珍しく平日に休みが取れた。年末の用足しの途中、以前から気になっていた自宅近くの公民館に寄ってみた。その建物の中には市役所の出張所や、会議室などの他に、小さな図書室が併設されている。早期退職に向けて、少しずつ、あれこれと準備している私にとって...
ちちプロ

№13 ジェンダーギャップと男性問題(濱口桂一郎『働く女子の運命』)

「男女共同参画」の文脈の中で、「女性問題」という言葉も使われることがある。この場合、芸能人のスキャンダルの話しなどではない。社会の中で、長年、不平等な扱いを受けてきた女性の苦しみを表す一つの表現として。近い将来、逆に「男性問題」という言葉が...
ちちプロ

№12 メールの宛先(篠原健太『スケット・ダンス』)

部下から受けたメールにどこか違和感があった。複数の人に対して、何か問い合わせをしている内容。どうやら本文に「○○様」という宛名を付けていないことが原因で、少しおかしくなったようだ。システム上の宛先欄に個人名が表示されるから、本文では省略して...
ちちプロ

№11 父からの手紙(G・K・ウォード『ビジネスマンの父より息子への30通の手紙』)

気になっていた「ビジネスマンの父より息子への30通の手紙」を読んだ。職場への朝の遅刻は厳禁とのアドバイスがあった。自制心を強くもって時間どおりに出勤するほかの人たちの士気をくじくから。定刻に出社するという責任さえも果たせない人に、どうして安...