○のりプロ 「サザエさん海にちなんだ名前プロジェクト」(略称:のりすけさんプロジェクト)
施設に入っている母(海苔子:仮名)の様子を中心に過去の記憶を辿る個人的なプロジェクト
のりプロ №102 カリプソ(ソニー・ロリンズ『The Everywhere Calypso』)
夕方、車を運転していた時のこと。付けたFMラジオから、ソニー・ロリンズの曲が流れてきた。最近亡くなった、という話しは聞いていた。きっと、追悼番組、なのだろう。昔、ジャズを聴き始めた頃、始めに好きになったのは、そのテナーサックス奏者の、ソニー...
のりプロ №100 オオツキ(ジョン・コルトレーン『My Favorite Things』)
私の住むまちから、100キロほど南。I市は、私の母親の、実家があった、まちである。「実家があったまち」と、過去形にするべきか、今、微妙な状況になっている。旧家に、一人暮らしていた叔母が、昨年、亡くなってしまったからだ。母親が高校まで過ごした...
のりプロ №99 雀と野良猫(夏目漱石『吾輩は猫である』)
このところ昔買った、夏目漱石の文庫本を引っ張り出して、読んでいる。学生の頃、定期的に、漱石の文章が読みたくなった時期がある。文庫本を一つ読み終えて暫くすると、また何か読みたくなった。簡潔な文章の調子だとか、ユーモア、或いは会話の雰囲気に、ち...
のりプロ №85 寄付(映画『ゴースト/ニューヨークの幻』)
父親が亡くなって、まもなく5年になる。私が、事務所として使い始めた、かつて父親が暮らしていたこの家。時々、思い出したように、父親あての郵便物が届く。必要な方面へ、連絡は済ませてある。それでも届くのは、通信販売の案内などの、義理のないものだけ...
のりプロ №79 繰り出し位牌(釈徹宗『法然親鸞一遍』に想う)
母親の49日の法要を終え、1週間ほどが過ぎた。午後、一人、墓へ向かった。そのとき供えた、花の様子が気になったからだ。案の定、数日前の大雨の名残で、ステンレス製の花立ては、濁った水で一杯になっていた。強い日差しの中、花も既に、茶色く痛んでいた...
のりプロ №78 緑茶の入れ方(ジョン・デューイ『哲学の改造』)
今年も、暑い夏になった。寝苦しい夜が続いている。エアコンと扇風機のタイマーをセットして眠りにつくのだが、僅かな電気代を気にして設定時間をケチるので、結局、タイマーが切れた後、寝苦しくて目が覚めてしまう。そんな繰り返し、となっている。ある夜。...
のりプロ №75 大相撲(『氷山の一角』に想う)
休日の午後。車で、裏道をたどり、買い物など、いくつか、用を足していた。車載テレビで、「大相撲中継」を見ながら。助手席の後ろの、いつもの席に、長女も乗っていた。ふと、相撲にまつわる記憶がよみがえった。私の祖父、長女にとっての曾(ひい)おじいち...
のりプロ №74 葬式のあれこれ(トルストイ『人生論』)
主治医から死亡診断書を書いてもらい、葬儀に向けた、段取りが始まった。もし、病院で亡くなると、遺体を、数時間で移動してほしい、と迫られることになる。私の母親は、老人施設で亡くなったから、病院よりは、多少融通が利く。しかし、ぐずぐずしてはいられ...
のりプロ №73 たらちね(斎藤茂吉『赤光』)
午後、事務所で作業していると、スマホが反応しているのに気が付いた。電話が入っている。母親のいる施設の番号が表示されている。出ると、こんな内容だった。午後になって、呼吸の状態が悪くなった。持ち直すかもしれず、何とも言えないが、こっちに来てもら...
のりプロ №72 蜂(志賀直哉『城の崎にて』)
事務所の庭が、雑草であふれている。両親が暮らしていた頃だって、それなりに雑草はあったはず。そんなふうにも思うのだが、10年程前の、庭で子供達が遊んでいる写真などを、たまたま目にしたとき、毎度、すっきりとした様子に驚かされる。雑草らしい雑草は...
