ねこプロ

○ねこプロ 「100万回生きたねこプロジェクト」(略称:100ねこプロジェクト)
時間を自分の手に取り戻すため転職に向けて準備を進める個人的なプロジェクト

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№86 ラジオ(ASIAN KUNG-FU GENERATION『リライト』)

音楽評論家の渋谷陽一さんが亡くなったのは、今年(2025年)の7月のことだ。訃報を聞き、ノスタルジックのような、感慨深いような、何か不思議な気持ちが、その後もずっと残った。この奇妙な気分の正体は、いったい何なのか。自分でも、分からないままだ...
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№82 放浪(坂口安吾『堕落論』)

慌ただしく、秋が通り過ぎようとしている。車中泊も使いながら、自分の住むまちから、段々遠くまで足を伸ばそうという私の作戦。夏の間は暑すぎて、車の中で寝るのは無理だろうと、あきらめてきた。それでも、ビジネスホテルに泊まったりしながら動き、公共建...
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№71 縄文(『合掌土偶』に想う)

車中泊の夜が明け、朝から活動を開始した。まず、市内の古い図書館へ向かった。歴史のある図書館だった。場所を変えながら、150年も続いているという。もっとも、現在の建物自体は、数十年前に立てられたもの。有名な建築家の作品である。事件があった時な...
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№70 車中泊(『ドラクエ』に想う)

早朝、暗がりの中で目が覚めた。一瞬、記憶が混乱する。そうか、車中泊したのだ。どうやら、思ったより穏やかに、夜を過ごせたようだ。トイレに行きたいが、できれば、もう少し明るくなってから車外に出たい。もうちょっとだけ、粘るとしよう。昨日からのこと...
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№66 声(みうらじゅん『アウト老のすすめ』)

早朝、暗いうちに目が覚めた。眠るのは諦めて、布団の中でラジオをつけた。久しぶりに聞く、NHKラジオ。深夜から、翌朝まで、一人のアナウンサーが日替わりで司会を務める番組。以前はよく、時間調整のため、起きる時間まで、小さな音で聞いていた。定年を...
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№64 東京(龍幸伸『ダンダダン』)

暫くぶりに、東京へ向かった。4月になったら遊びに来いと、従兄弟たちから誘われて。新幹線に乗るのも数年ぶり。駅に行ってから切符を買おうと、ふらりと家を出た。平日にしては、随分と混雑している。こんなだったろうか。窓口で、ようやく通路側の席を一つ...
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№63 虎と鱒(映画『男はつらいよ』に想う)

月曜日、火曜日とそれなりに、朝から夕方まで、事務作業を進めた。水曜日になり、一日、休みにしようと思い立った。働いたといっても、9時から事務所に詰めて、4時を目処にあがる、というリズム。水曜日も休むことにすれば、週休3日。夢のようなサイクルに...
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№60 退職②(『花束』に想う)

33年間勤めた職場。最後の一日が始まった。午前中から、断続的にセレモニーが続く。私の職場では、定年年齢が見直されている途中。暫く、隔年で退職者が多い年と、極端に少ない年とが繰り返す。昨年、定年が一年延びた人達を含め、今年は退職者の多い年。近...
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№59 退職①(『弁当作り』に想う)

遂に、この朝がきた。退職の日の、朝が。出かけようとする私のことを、長女が、玄関先まで見送りに出てきてくれた。ただし、これは、いつもの習慣。家族の誰かが出かけるときは、玄関で見送るという、家族の中のしきたり。亡くなった妻が、定着させたルールで...
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№58 休学(『シュレッダー』に想う)

退職を前にした数日。職場のデスク周りの整理に追われた。溜まった書類を整理し、シュレッダーをかける。その間、退職を知った知り合いが、断続的に訪ねてきてくれた。書類整理の手を止めて、一人一人。こちらからは同じ説明をし、相手からはねぎらいの言葉な...