ねこプロ

○ねこプロ 「100万回生きたねこプロジェクト」(略称:100ねこプロジェクト)
時間を自分の手に取り戻すため転職に向けて準備を進める個人的なプロジェクト

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№49 かにともも(赤松利市『藻屑蟹』)

朝の出勤時。職場のある八階まで。朝だけは階段で登るようにしている。一応、健康維持のため。早朝の、その時間帯。外部委託の清掃員の人達も、階段の踊り場などを使いながら、作業をはじめる準備をしている。床を水拭きするためのモップを、ところどころ立て...
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№43 ブログとは何か(畑正憲『ムツゴロウの放浪記』)

少し前のテレビのクイズ番組。こんな問題が出た。「ブログって何の略?」若いタレントの答えはこう。それは、ウェブ、ログ。正解である。「ウェブ」、即ちインターネット上の情報を閲覧できるようにするシステム。「ログ」、即ちコンピューター上の記録。つま...
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№41 「ルビコン川を渡る」或いは「賽は投げられた」(塩野七海『ローマ人の物語』)

私の早期退職の件。いよいよ人事当局の耳に入る段となった。気持ちを確認するための、ヒアリングなども始まった。どうなることか。どこへ行き着くのか。「賽は投げられた」という表現がある。並んで「ルビコン川を渡る」という慣用句も良く聞く。違う時代にル...
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№39 苦役列車と銀河鉄道(西村賢太『苦役列車』に想う)

私が西村賢太さんを知ったのは、その死亡の報道によってである。思い返せば、記憶の片隅に、芥川賞受賞後の、記者会見の様子がぼんやりと蘇ってもくる。そうか、あのときの作家か。突然の死に至る経緯はこうである。夜、タクシーに乗って帰ろうとしたところ、...
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№36 オラオラデ(若竹千佐子『おらおらでひとりいぐも』)

少し前のこと。「おらおらでひとりいぐも」この作品で芥川賞作家となった若竹千佐子さん。その半生をたどる番組を、NHKでやっていた。ついつい通して最後まで見た。若い頃の挫折。家庭を得た安らぎ。文学への思い。専業主婦として日々が過ぎていくことへの...
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№34 風船とレモン(梶井基次郎『檸檬』に想う)

むかし梶井基次郎の文章が頭から離れなかった時期がある。短編の「檸檬」に、少しかぶれていたと言ったほうがよいかもしれない。何かにつけ、その空気感を思い出し、浸っていることがあった。一つ思い出がある。二度目の大学受験も思うようにいかず、浪人二年...
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№32 ピーマンと「ねこプロ」(佐野洋子『100万回生きたねこ』)

憂鬱な雨の月曜日。職場へ向かう、いつもの朝のバスの中。また同じことを考えている。自分は、何時までこの繰り返しを続けるつもりなのかと。次に進む準備は続けている。後は決断だ。小さい頃、ピーマンの味が苦手だった。残すことはしなかった。料理に入って...
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№31 行き合いの空(『巻雲と積雲』に想う)

勤務時間終了後すぐのこと。仕事上の昔の苦労話しを、ふと思い出した。それを引き合いに、今進んでいる案件のリスクについて、部下に一言話しておきたくなった。帰る前にと、担当チームのデスクへ向かう。それは、チームリーダーの目の前の席にいる中堅職員に...
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№29 AIと音声アプリ(フジファブリック『若者のすべて』)

高校生の長女が、私がブログで何を書いているのか、少し気にしている。自分達の日常が、話しのタネにされていると知ったら、どう思うだろう。もしかしたら、書かれたくない話もあるのだろうか。そもそも彼女たちの話題を持ち出してまで組み立てようとする私の...
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№28 兄妹喧嘩(ヒゲダン『Subtittle』に想う)

Official髭男dism(オフィシャルヒゲダンディズム)の「Subtittle(サブタイトル)」という曲。前々から気になってはいた。MV(ミュージックビデオ)を断片的に見る限りでは、また泣かされそうな気配。以前「I LOVE(アイラブ)...