ちちプロ

○ちちプロ 「ビジネスマンの父より息子への30通の手紙プロジェクト」
(略称:ビジネスマンの父からの手紙プロジェクト)
子供達へ仕事や社会の理屈などを伝えようとする個人的なプロジェクト

 

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№81 あんぱん(『朝ドラ』に想う)

NHKの、朝の連続テレビ小説「あんぱん」。9月で半年間の放送を終えた。アンパンマンの作者、やなせたかしさんの妻、暢(のぶ)さんを主役にした物語。柳井(やない)のぶを今田美桜さん、柳井嵩(たかし)を北村匠海さんが演じた。ドラマを見る習慣の無い...
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№77 雨雲(野口雨情『七つの子』)

午後、私の住むまちに、大雨警報が出た。事務所で一人、デスクに向かって、事務作業をしていたところだった。BGMとして流していた、地元のラジオ番組が、その情報を、ふいに伝えたのだ。まだ、雨は降り出してはいなかった。窓から見上げると、ところどころ...
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№76 絵本の展覧会(ヨシタケシンスケ『りんごかもしれない』)

暫く前の、早朝。ラジオのインタビューで、人気の絵本作家がしゃべっていた。全国を、展覧会で巡回しているらしい。見せる物が小さすぎるために、学生時代に作ったオブジェも展示したりして、色々と、工夫しているのだという。なにしろ、メインの展示物は、自...
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№67 仲直り(志賀直哉『暗夜行路』)

休日の夕方。相撲中継を見ながら、リビングで一人、ブログの作業をしていた。集中したくて、テレビの音を絞ったまま。廊下の奥の玄関で、ガチャリと音がした。誰か帰ってきたようだ。ただいま、と長男が、玄関でつぶやく声が聞こえた。すかさず、お帰り、と返...
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№62 入学式(J.S.バッハ『主よ、人の望みの喜びよ』)

4月に入ってまもなくの平日。長女の大学の入学式だった。仕事を続けていたら、休暇を取ってまで出席しようとは思わなかっただろう。しかし、今なら、自分次第。長男と、二男は、中学生の頃には既に、私が行事に出ることの方を煙たがるようになった。自分のそ...
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№61 手紙(米米CLUB『手紙』に想う)

退職後の日々。小さなビジネスをスタートする準備を進めている。一人、こつこつと。両親が残した、郊外の一軒家。応接間だけでも、事務室風に変えたいと考えている。炬燵やテレビを、奥の座敷へ移動させ、応接用兼、作業用の大きめのテーブルを一つ置く。両親...
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№55 退学(夏目漱石『草枕』)

仕事を終え、家に戻る。直前に帰っていた二男と、リビングで鉢合わせになった。モコモコとした、黒いダウンジャケットを着たままの二男。神妙な顔つき。帰ってきたばかりのところ、申し訳ないんだけど、と話し出す。何だ、何だ、今度は何があった。重大なこと...
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№54 巣立ちの春(『おにぎりと百均』に想う)

日曜日の朝。バナナを一本だけ食べて、直ぐに活動を開始した。休日も、短時間だけ、きまって早朝、まだ誰もいない職場に行く。管理職になってからの習慣となっている。一つには、週明けからの仕事の段取りを確認するため。また、一つには土日の新聞に目を通し...
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№53 茹で卵の作り方(『卵の薄皮』に想う)

休日のお昼過ぎ。たくさん茹でた卵。殻をむきながら考えた。こんなふうに、むつむつと文句も言わず、何年も家事を続けた主婦ほど、心の中で「熟年離婚」を考えたりしているのだろうな、と。夫の方は、定年後、妻とゆっくり旅行でもしよう。そう、ぼんやり考え...
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№52 レジリエンスと探し物(『合鍵』に想う)

朝、家族の、こんなLINEのやり取りに気がついた。鍵を無くして家に入れない。誰か開けて欲しい。それは前夜の午前零時頃。二男からのもの。夜更かしの長女から、呑気な「オッケー」のスタンプが返信されている。どうやら無事、家に入って今は寝ているよう...