ちちプロ

№23 天声人語と死刑囚(ドストエフスキー『罪と罰』)

このブログの文章の一つのお手本は朝日新聞の「天声人語」だと思っている。日課として、毎朝、複数の新聞にざっと目を通す。近年、コラムまで読むことはないが、ある日の「天声人語」には、ふと目が留まった。「死刑執行の告知を当日に行う現在の運用は違憲だ...
ちえプロ

№22 幕引きのとき(立花隆『臨死体験』)

昨年の大晦日(2023年12月31日)、中村メイコさんが89歳で亡くなられた。「乾杯で送る会」を行ったという記事をネットで見かけて、はじめて知った。夫の神津善行さんも、いつの間にかもう92歳になっていたようだ。以前は、お二人それぞれテレビで...
ちえプロ

№21 O-DANとオーダイン(『レトロゲーム』に想う)

O-DAN(オーダン)という写真素材を検索できるサイトがある。世界中のプロの印象的な写真がたくさん揃っていて、フリーで使えるありがたいサイトだ。私のブログに、最近、外国語で不審なメールが入るようになった。どうやらおまえのサイトはSEO対策が...
ちえプロ

№20 風邪と冷麺(『盛岡冷麺』に想う)

長男の誕生日のお祝いに家族で焼き肉を食べに行くことになった。お酒を飲むことを好まない二男の運転で、郊外の湖沿いの店へと出かけた。妻が生きていた頃、ドライブがてら家族五人で休日の夕方などによく食べに行っていた店である。妻に運転してもらいビール...
ちちプロ

№19 バリアフリーと命日(ハービー・ハンコック『Butterfly』)

高校の修学旅行でカナダまで行っていた長女が、予定通りに夜の十時過ぎ、地元の駅までたどり着くという。私が、車で迎えに出る約束となっていた。早めに出て、閑散とした夜の立体駐車場の一階に車を停めて、そこでそのまま待つことにした。駅の周辺は、日々よ...
ちちプロ

№18 「テルーの唄」と修学旅行(手嶌葵『テルーの唄』)

その日私は、部下の運転する車で、朝から、県内のいくつかの市町村を回り、打ち合わせをこなすというような仕事をしていた。ようやく最後の訪問地であるM市を後にし、帰途に付いた頃には夕方になっていた。沿岸部のM市は、大きな川の河口沿いに広がったまち...
ちちプロ

№17 株式投資と高齢社会(両@リベ大学長『お金の大学』)

数年前、父が亡くなった後、いくばくかの株を相続した。何も知識が無く、ゼロからのスタート。勉強しながら何とか手続きを進めた。勘所を聞こうと、長く父の元へ通っていたらしい、大手証券会社の女性営業員に電話で話を聞いたことがあった。父が何か大事にし...
のりプロ

№16 通院と粉雪(レミオロメン『粉雪』)

定期的に通院することになった。ここ数年、職場の健康診断でずっと指摘を受けていた。私の場合、ガンマGDPという肝臓の数値と、悪玉コレステロール、それから痛風の危険を示す尿酸値の数字が悪かった。職場の健康診断の後、馴染みの個人病院で診察を受け、...
ちちプロ

№15 新聞とテレビCM(立花隆『立花隆の最終講義』)

正月の大手新聞社のテレビコマーシャルに、こんなものがあった。振り向いた少女にコメントが重なる。「信じてもいいですか。○○新聞」ちょっとびっくりした。実は信じてはいけないことが幾分かでも混じっていたのだろうか。少なくとも建前としては、新聞は中...
ちえプロ

№14 立花隆と実存主義(キルケゴール『死に至る病』)

珍しく平日に休みが取れた。年末の用足しの途中、以前から気になっていた自宅近くの公民館に寄ってみた。その建物の中には市役所の出張所や、会議室などの他に、小さな図書室が併設されている。早期退職に向けて、少しずつ、あれこれと準備している私にとって...