ちえプロ №14 立花隆と実存主義(キルケゴール『死に至る病』) 珍しく平日に休みが取れた。年末の用足しの途中、以前から気になっていた自宅近くの公民館に寄ってみた。その建物の中には市役所の出張所や、会議室などの他に、小さな図書室が併設されている。早期退職に向けて、少しずつ、あれこれと準備している私にとって... 2023.12.30 ちえプロ
ちちプロ №13 ジェンダーギャップと男性問題(濱口桂一郎『働く女子の運命』) 「男女共同参画」の文脈の中で、「女性問題」という言葉も使われることがある。この場合、芸能人のスキャンダルの話しなどではない。社会の中で、長年、不平等な扱いを受けてきた女性の苦しみを表す一つの表現として。近い将来、逆に「男性問題」という言葉が... 2023.11.10 ちちプロ
ちちプロ №12 メールの宛先(篠原健太『スケット・ダンス』) 部下から受けたメールにどこか違和感があった。複数の人に対して、何か問い合わせをしている内容。どうやら本文に「○○様」という宛名を付けていないことが原因で、少しおかしくなったようだ。システム上の宛先欄に個人名が表示されるから、本文では省略して... 2023.10.10 ちちプロ
ちちプロ №11 父からの手紙(G・K・ウォード『ビジネスマンの父より息子への30通の手紙』) 気になっていた「ビジネスマンの父より息子への30通の手紙」を読んだ。職場への朝の遅刻は厳禁とのアドバイスがあった。自制心を強くもって時間どおりに出勤するほかの人たちの士気をくじくから。定刻に出社するという責任さえも果たせない人に、どうして安... 2023.09.10 ちちプロ
ちえプロ №10 注射記念日(俵万智『サラダ記念日』) 長年通ってきた近所の小児科に、久しぶりに子供達三人を連れていった。やり残した予防接種を受けさせるためである。長男と二男は二十歳を超えている。一番下といっても長女も既に高校生。待合室のサイズ感に比べ、今や少々場違いな一団となってしまった。その... 2023.08.20 ちえプロ
のりプロ №9 ニモと黒縁眼鏡(映画『ファインディング・ニモ』) 今夜のテレビのロードショーはファインディングニモだった。夕食を終え、子供達はそれぞれ自分の部屋へ引き取り、一人リビングに残った一番下の娘にリモコンの操作権が残った。私は隣の和室で寝る準備をしながら、半分閉めた襖越しに映画の音だけ聞いていた。... 2023.08.01 のりプロ
のりプロ №8 認知症のサザエさん(長谷川町子『サザエさん』) コロナ感染症の問題が落ち着きを見せ、ようやく母の入っている施設でも、家族との面会が再開されることになった。当面、時間や人数は限られる。休日の午前中、長女と二人で会いに行くことにした。数か月ぶりの面会。施設の職員が面会用の個室まで、車椅子を押... 2023.07.10 のりプロ
のりプロ №7 野バラとチャイナローズ(佐藤千亜妃『風に抱かれて』) チャイナローズという品種のバラがある。我が家では苺ミルクを思わせる、濃いピンクの少しねっとりした質感の花をつける。母が好きで育てていた。三年前、父と母が一緒に施設に移ったあと、空き家となった郊外の家の手入れは、植木や花壇も含め私の仕事となっ... 2023.06.01 のりプロ
のりプロ №6 花唄とアイス(Vaundy『怪獣の花唄』) Vaundyの「怪獣の花唄」という曲が人気だ。少年時代の友達との記憶が主題。誰にもある子供の頃の思い出を呼び覚まし心の琴線に触れてくる。先般の休み、久しぶりに従兄弟の家に泊まり夜飲むため、沿岸部の地方都市へ一人車で向かった。私も小学四年生ま... 2023.05.10 のりプロ
ちちプロ №5 「あの頃の猪木」と空襲(”燃える闘魂”アントニオ猪木) 昨年、アントニオ猪木さんが亡くなった。NHKの深夜の番組で死の直前の様子を放送していた。80年代のプロレスブームのとき、中学生だった私も夢中でテレビ中継を見ていた。猪木さんはその後、政治家としても活動。タレント的に時折テレビで取り上げられて... 2023.05.01 ちちプロ