ねこプロ №43 ブログとは何か(畑正憲『ムツゴロウの放浪記』) 少し前のテレビのクイズ番組。こんな問題が出た。「ブログって何の略?」若いタレントの答えはこう。それは、ウェブ、ログ。正解である。「ウェブ」、即ちインターネット上の情報を閲覧できるようにするシステム。「ログ」、即ちコンピューター上の記録。つま... 2024.12.01 ねこプロ
ちちプロ №42 谷川俊太郎の宇宙(谷川俊太郎『旅』) その日の朝の新聞各紙。不思議なくらいに沢山の、谷川俊太郎さんの記事だった。朝日新聞の「天声人語」。案の定、谷川さんの話題である。「天声人語」らしく、谷川さんと、詩人のねじめ正一さんが、即興漫才をしていたのを見たことがあるという、ちょっと意外... 2024.11.23 ちちプロ
ねこプロ №41 「ルビコン川を渡る」或いは「賽は投げられた」(塩野七海『ローマ人の物語』) 私の早期退職の件。いよいよ人事当局の耳に入る段となった。気持ちを確認するための、ヒアリングなども始まった。どうなることか。どこへ行き着くのか。「賽は投げられた」という表現がある。並んで「ルビコン川を渡る」という慣用句も良く聞く。違う時代にル... 2024.11.15 ねこプロ
ちえプロ №40 「旅をする本」と「働かないふたり」(星野道夫『旅をする木』) 私の記憶には「旅をする『本』」としてインプットされているその文庫本の題名。しかし、毎度よく見返せば、本当は「旅をする『木』」なのだ。静かにファンの多い本だと思う。この文庫本自体が、私の中で、ある種のスピリチュアルな存在となっている。幾つかの... 2024.11.10 ちえプロ
ねこプロ №39 苦役列車と銀河鉄道(西村賢太『苦役列車』に想う) 私が西村賢太さんを知ったのは、その死亡の報道によってである。思い返せば、記憶の片隅に、芥川賞受賞後の、記者会見の様子がぼんやりと蘇ってもくる。そうか、あのときの作家か。突然の死に至る経緯はこうである。夜、タクシーに乗って帰ろうとしたところ、... 2024.11.05 ねこプロ
のりプロ №38 馬鈴薯の煮え具合(『カレーライス』に想う) 日曜の午後。早めにカレー作りを始めた。朝食作りや弁当作りなどのプレッシャーに加え、月曜の朝は、自分の出勤の憂鬱も加わる。早め早めに家事を進め、体の負担を減らし、その後のストレスに耐えられるようにしなければ。日曜日の夕飯作りに早く取り掛かるよ... 2024.11.01 のりプロ
ちちプロ №37 アトムと蝸牛(浦沢直樹『PLUTO(プルートゥ)』) マンションの駐車場に着き、車から降りようとドアに手をかけた時のこと。ちょうど目が行く、ドアミラーの付け根のあたり。小さな蝸牛(かたつむり)と目があった。いつからそこに、ひっついていたものか。数年前、施設に移った私の両親が残した郊外の家。今や... 2024.10.30 ちちプロ
ねこプロ №36 オラオラデ(若竹千佐子『おらおらでひとりいぐも』) 少し前のこと。「おらおらでひとりいぐも」この作品で芥川賞作家となった若竹千佐子さん。その半生をたどる番組を、NHKでやっていた。ついつい通して最後まで見た。若い頃の挫折。家庭を得た安らぎ。文学への思い。専業主婦として日々が過ぎていくことへの... 2024.10.20 ねこプロ
ちえプロ №35 砥石とナマズ(高村光太郎『鯰』に想う) いつも使っている包丁の刃先に、小さな錆びが浮かぶようになった。この夏も、随分と湿度が高かった。そのせいもあったと思う。ひどい時は、砥石で研いだ後、ちょっと目を離した小一時間くらいの間に、再び錆びが出ていることがあった。暫く前。父と母が、施設... 2024.10.01 ちえプロ
ねこプロ №34 風船とレモン(梶井基次郎『檸檬』に想う) むかし梶井基次郎の文章が頭から離れなかった時期がある。短編の「檸檬」に、少しかぶれていたと言ったほうがよいかもしれない。何かにつけ、その空気感を思い出し、浸っていることがあった。一つ思い出がある。二度目の大学受験も思うようにいかず、浪人二年... 2024.09.10 ねこプロ