カイタ

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№22 ジェームスとパウル・クレー(パット・メセニー『オフ・ランプ』)

パット・メセニー・グループに「ついておいで」という曲がある。 原題は Aer You Going With Me? この曲と共に、いったいどれだけの眠れない夜を越えてきたか数え切れない。 昂ぶった気持ちを落ち着かせるためであったり、痛みを耐...
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№21 国保と「小さな村の物語」(BS日テレ『小さな村の物語イタリア』)

その日は朝から雨だった。 平日に取った休みの一日。 普段は自転車で通学している娘を、たまには、と車で高校まで送り届けた。 車なら10分程度。近い。 ワンオペの我が家であるから、雨の日雪の日、急に車を出してあげるというわけにはいかない。 あく...
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№20 幕引きのとき(立花隆『臨死体験』)

昨年の大晦日(2023年12月31日)、中村メイコさんが89歳で亡くなられた。 「乾杯で送る会」を行ったという記事をネットで見かけて、はじめて知った。 夫の神津善行さんも、いつの間にかもう92歳になっていたようだ。 以前は、お二人それぞれテ...
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№19 風邪と冷麺 

長男の誕生日のお祝いに家族で焼き肉を食べに行くことになった。 お酒を飲むことを好まない二男の運転で、郊外の湖沿いの店へ出かけた。 妻が生きていた頃、ドライブがてら家族五人で休日の夕方などによく食べに行っていた店である。 妻に運転してもらいビ...
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№18 バリアフリーと命日(ハービー・ハンコック『Butterfly』)

高校の修学旅行でカナダまで行っていた長女が、予定通りに夜の十時過ぎ、地元の駅までたどり着くという。 私が、車で迎えに出る約束となっていた。 早めに出て、閑散とした夜の立体駐車場の一階に車を停めて、そこでそのまま待つことにした。 駅の周辺は、...
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№17 「テルーの唄」と修学旅行(手嶌葵『テルーの唄』)

その日私は、部下の運転する車で、朝から、県内のいくつかの市町村を回り、打ち合わせをこなすというような仕事をしていた。 ようやく最後の訪問地であるM市を後にし、帰途に付いた頃には夕方になっていた。 沿岸部のM市は、大きな川の河口沿いに広がった...
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№16 株式投資と高齢社会(両@リベ大学長『お金の大学』)

数年前、父が亡くなった後、いくばくかの株を相続した。 何も知識が無く、ゼロからのスタート。 勉強しながら何とか手続きを進めた。 勘所を聞こうと、長く父の元へ通っていたらしい、大手証券会社の女性営業員に電話で話を聞いたことがあった。 父が何か...
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№15 新聞とテレビCM

正月の大手新聞社のテレビコマーシャルに、こんなものがあった。 振り向いた少女にコメントが重なる。 「信じてもいいですか。○○新聞」 ちょっとびっくりした。 実は信じてはいけないことが幾分かでも混じっていたのだろうか。 少なくとも建前としては...
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№14 立花隆と実存主義(キルケゴール『死に至る病』)

珍しく平日に休みが取れた。 年末の用足しの途中、以前から気になっていた自宅近くの公民館に寄ってみた。 その建物の中には市役所の出張所や、会議室などの他に、小さな図書室が併設されている。 早期退職に向けて、少しずつ、あれこれと準備している私に...
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№13 男女共同と男性問題

男女共同参画とほぼ同じような意味合いで「女性問題」という表現も使われる。 近い将来、逆に「男性問題」という言葉が大きく取り上げられる時代が来るのでは無いかと密かに案じている。 先日、大学三年生となり、就職活動を控える次男が、こんなことを言っ...