ねこプロ №70 車中泊(『ドラクエ』に想う) 早朝、暗がりの中で目が覚めた。一瞬、記憶が混乱する。そうか、車中泊したのだ。どうやら、思ったより穏やかに、夜を過ごせたようだ。トイレに行きたいが、できれば、もう少し明るくなってから車外に出たい。もうちょっとだけ、粘るとしよう。昨日からのこと... 2025.06.05 ねこプロ
のりプロ №69 木瓜皿(『ボケの花』に想う) 事務所の開設に向けて、作業を進めている。先日、私の住むエリアを管轄している支部へ、申請書類を出すところまで漕ぎ着けた。次は、この仕事の事務所として、一応の条件をクリアしているか、調査員がやってくる段取りになっている。相手方と、日取りも決めて... 2025.06.01 のりプロ
のりプロ №68 説明(『コンビニの駐車場』で想う) 母親の入っている施設から、こんな連絡があった。主治医のところで、状況について、説明を受けて欲しい。近くで、内科を開業しているS医師が、主治医となっていた。母親の施設では、S医師や近隣の看護師と提携を結び、訪問医療の体制を組んでいる。妹と二人... 2025.05.30 のりプロ
ちちプロ №67 仲直り(志賀直哉『暗夜行路』) 休日の夕方。相撲中継を見ながら、リビングで一人、ブログの作業をしていた。集中したくて、テレビの音を絞ったまま。廊下の奥の玄関で、ガチャリと音がした。誰か帰ってきたようだ。ただいま、と長男が、玄関でつぶやく声が聞こえた。すかさず、お帰り、と返... 2025.05.20 ちちプロ
ねこプロ №66 声(みうらじゅん『アウト老のすすめ』) 早朝、暗いうちに目が覚めた。眠るのは諦めて、布団の中でラジオをつけた。久しぶりに聞く、NHKラジオ。深夜から、翌朝まで、一人のアナウンサーが日替わりで司会を務める番組。以前はよく、時間調整のため、起きる時間まで、小さな音で聞いていた。定年を... 2025.05.05 ねこプロ
ちえプロ №65 コンサート(エリック・クラプトン『Tears in Heaven』) 日曜日。長女が、服を買ってほしいという。大学の実習で、シンプルな白いシャツが必要になる。遊び着ではないので、買ってもらえないか、との理屈。午後、車で、郊外のファストフアッションの店へと向かった。そこなら、それらしいものがきっとあるだろう。F... 2025.05.01 ちえプロ
ねこプロ №64 東京(龍幸伸『ダンダダン』) 暫くぶりに、東京へ向かった。4月になったら遊びに来いと、従兄弟たちから誘われて。新幹線に乗るのも数年ぶり。駅に行ってから切符を買おうと、ふらりと家を出た。平日にしては、随分と混雑している。こんなだったろうか。窓口で、ようやく通路側の席を一つ... 2025.04.30 ねこプロ
ねこプロ №63 虎と鱒(映画『男はつらいよ』に想う) 月曜日、火曜日とそれなりに、朝から夕方まで、事務作業を進めた。水曜日になり、一日、休みにしようと思い立った。働いたといっても、9時から事務所に詰めて、4時を目処にあがる、というリズム。水曜日も休むことにすれば、週休3日。夢のようなサイクルに... 2025.04.20 ねこプロ
ちちプロ №62 入学式(J.S.バッハ『主よ、人の望みの喜びよ』) 4月に入ってまもなくの平日。長女の大学の入学式だった。仕事を続けていたら、休暇を取ってまで出席しようとは思わなかっただろう。しかし、今なら、自分次第。長男と、二男は、中学生の頃には既に、私が行事に出ることの方を煙たがるようになった。自分のそ... 2025.04.15 ちちプロ
ちちプロ №61 手紙(米米CLUB『手紙』に想う) 退職後の日々。小さなビジネスをスタートする準備を進めている。一人、こつこつと。両親が残した、郊外の一軒家。応接間だけでも、事務室風に変えたいと考えている。炬燵やテレビを、奥の座敷へ移動させ、応接用兼、作業用の大きめのテーブルを一つ置く。両親... 2025.04.10 ちちプロ