のりプロ №9 ニモと黒縁眼鏡(映画『ファインディング・ニモ』) 今夜のテレビのロードショーはファインディングニモだった。夕食を終え、子供達はそれぞれ自分の部屋へ引き取り、一人リビングに残った一番下の娘にリモコンの操作権が残った。私は隣の和室で寝る準備をしながら、半分閉めた襖越しに映画の音だけ聞いていた。... 2023.08.01 のりプロ
のりプロ №8 認知症のサザエさん(長谷川町子『サザエさん』) コロナ感染症の問題が落ち着きを見せ、ようやく母の入っている施設でも、家族との面会が再開されることになった。当面、時間や人数は限られる。休日の午前中、長女と二人で会いに行くことにした。数か月ぶりの面会。施設の職員が面会用の個室まで、車椅子を押... 2023.07.10 のりプロ
のりプロ №7 野バラとチャイナローズ(佐藤千亜妃『風に抱かれて』) チャイナローズという品種のバラがある。我が家では苺ミルクを思わせる、濃いピンクの少しねっとりした質感の花をつける。母が好きで育てていた。三年前、父と母が一緒に施設に移ったあと、空き家となった郊外の家の手入れは、植木や花壇も含め私の仕事となっ... 2023.06.01 のりプロ
のりプロ №6 花唄とアイス(Vaundy『怪獣の花唄』) Vaundyの「怪獣の花唄」という曲が人気だ。少年時代の友達との記憶が主題。誰にもある子供の頃の思い出を呼び覚まし心の琴線に触れてくる。先般の休み、久しぶりに従兄弟の家に泊まり夜飲むため、沿岸部の地方都市へ一人車で向かった。私も小学四年生ま... 2023.05.10 のりプロ
ちちプロ №5 「あの頃の猪木」と空襲(”燃える闘魂”アントニオ猪木) 昨年、アントニオ猪木さんが亡くなった。NHKの深夜の番組で死の直前の様子を放送していた。80年代のプロレスブームのとき、中学生だった私も夢中でテレビ中継を見ていた。猪木さんはその後、政治家としても活動。タレント的に時折テレビで取り上げられて... 2023.05.01 ちちプロ
ちちプロ №4 サブスクと軽自動車(KISS『ハード・ラック・ウーマン』) 長男が、春から社会人になった。今、初任給の使い途をあれこれと皮算用している。高校生の長女にも毎月数百円だけ出させ、後は自分が負担し、音楽配信のサブスクリプションの契約をしたいと思うがどうか。そう、私に聞いてきた。反射的に、反対したくなった。... 2023.04.20 ちちプロ
ねこプロ №3 ボヘミアン・ラプソディ(クイーン『伝説のチャンピオン』) 今夜は、春に異動した新しい職場の歓迎会だった。少し遅くなって家に帰ると、テレビのロードショーでボヘミアン・ラプソディをやっていた。ついつい途中から見始めた。フレディ・マーキュリーが、自分がゲイであることを妻に告白するシーンあたりから。何でこ... 2023.04.10 ねこプロ
ねこプロ №2 桜の花の向こうには(梶井基次郎『桜の樹の下には』) 毎朝の出勤時。バス停まで向かう道の両側に、大きな二本の桜の木がある。それぞれ10m近いだろうか。毎日、何かしら目に入り幾分見上げながら通り過ぎる形になる。向かって右手の桜は酒屋の駐車場と公道の境目付近。左手の桜はアパートの駐車場の敷地の中に... 2023.04.01 ねこプロ