貝田トモキと申します。
このブログは、一言で表現すれば、私小説風であり、エッセイ風でもある文章の寄せ集めです。
雑多な文章の集まりではありますが、ブログ全体で、一つの文庫本のような、まとまりのあるものに出来たらよいな、とも思っています。
「へそのない本」という面白い本があります。
私ですらまだ生まれていない、1960年代前半の、少し古い本です。
芥川賞作家である北杜夫さんが書いたものです。
幾つかのエッセイや、ショートショートで構成された、雑多な文章の集まり。
中心のない、つまりはへそのない本。
若い頃、北杜夫さんの本を、夢中で読んだ時期がありました。
北さんは、エッセイの中で、世界の文豪やその作品などを、時にユーモアを交え魅力的に紹介してくれました。
興味をそそられて、そこに登場する小説など、次々に文庫本で読んでいきました。
私の心の中の扉を、何か一気に開いてもらったような感覚でした。
この本は面白いよとか、この人の考え方は興味深いよとか、私も何か、次の世代にバトンを渡したい。そんな気持ちでいます。
構成としては、一息で読める、2000字位の文章(記事)を一つのまとまりとして、一旦完結させるようにしています。
朝日新聞の「天声人語」位のボリュームが良いと思ってはじめましたが、段々長くなってしまっています。
順番に読めば、全体で、一つの私小説風な読み物となるようにしたい、とも考えています。
ある年齢を過ぎると、自分史的なものを書いてみたい。
そんな考えが、多くの人の頭に、一度や二度はよぎるのではないでしょうか。
ブログでそれができないだろうか。
試しに私がやってみよう、と思っています。
また、私の中では、ある種の遺書のようなもの、とも考えています。
私は、40代前半で、妻と死別しました。
当時まだ小さかった三人の子供を、その後一人で育ててきました。
妻がどんな人だったか、当時どんな事が起こったのか。
必要なとき、子供達が読み返せるように、文章として残してあげたい。
可能なら、その先の孫や子孫まで、私の想いとともにメッセージとして届けたい。
会えなかったけど、おばあちゃんはこんな人だったよ、と。
このブログを、年間の管理費用を上回る、いくばくかの収益が発生するまで育てられれば、相続する子供達の誰かが興味を持ってくれるのではないか。
やりようによっては世代を超えて生き残るブログになりうるのではないか。
そんな実験のつもりでもあります。
思惑通り、果たして上手くいくものかどうか。
私自身、半信半疑です。
長い目で、時々様子をのぞきにきて頂けると幸いです。
貝田トモキ